「食べる量は変わらないのに、最近なんだか太りやすくなったな…」
年齢を重ねるにつれて、そう感じることはありませんか?それは、基礎代謝が落ちているサインかもしれません。
基礎代謝を上げて、「何もしなくても痩せやすい体」を作りたい!そう考えている人に、ぜひ試してほしいのが「筋トレ」です。
この記事では、なぜ筋トレが代謝アップに効果的なのか、そのメカニズムから具体的なトレーニング方法、食事のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
そもそも「代謝」って何?

「代謝がいい人=痩せやすい人」というイメージは多くの人が持っていると思いますが、そもそも代謝とは何を指すのでしょうか?
私たちの体は、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を保ったりするために、常にエネルギーを消費しています。この、生命活動を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のことを「基礎代謝」と呼びます。
この基礎代謝は、1日の総消費エネルギーの約60〜70%を占めており、体を動かしていない時でも常に消費されています。
参照:「身体活動とエネルギー代謝」
つまり、基礎代謝が高いほど、普段の生活で消費されるエネルギー量が多くなるため、痩せやすい体になるというわけです。
なぜ筋トレをすると代謝が上がるの?

基礎代謝を構成する要素のうち、3番目に大きな割合を占めているのが「筋肉」です。
- 肝臓: 約27%
- 脳: 約19%
- 筋肉: 約18%
参照:「代謝をあげて健康に」
これらの数値からもわかるように、筋肉は安静時でも多くのエネルギーを消費する「エネルギー消費効率の高い組織」なのです。
筋肉は「燃費が悪い」と表現されることもありますが、これは「体を維持するために多くの燃料(カロリー)を必要とする」という意味で、言い換えれば「何もしなくても消費されるエネルギー量が多い」ということ。
筋トレによってこの組織が増えることで、基礎代謝がアップするという仕組みです。つまり、筋トレで筋肉量を増やすことが、痩せやすい体を作るための最も効率的な方法の一つと言えます。
効率的に代謝を上げるための筋トレ方法

「じゃあ、どんな筋トレをすればいいの?」
闇雲に筋トレをするだけでは、なかなか効果が出にくいもの。ここでは、効率的に基礎代謝を上げるための筋トレのポイントを3つご紹介します。
1. 「大きな筋肉」を鍛える
基礎代謝を効率よく上げるには、体の中でも特に大きな筋肉を鍛えることが重要です。
大きな筋肉とは、以下の3つの部位を指します。
- 下半身(お尻、太もも)
- 胸
- 背中
特に下半身は、体の筋肉の6割~7割の割合を占めていると言われています。大きな筋肉を鍛えることで、筋肉量全体の増加につながり、基礎代謝を効率的に上げることができます。
【下半身を鍛える筋トレ】
- スクワット: 「筋トレの王様」とも呼ばれるスクワットは、お尻や太ももを重点的に鍛えられます。
- ランジ: 脚を前後に大きく開いて行うトレーニングで、バランス感覚も養われます。
【胸を鍛える筋トレ】
- プッシュアップ(腕立て伏せ): 自重で行える最もポピュラーな筋トレです。
- ダンベルプレス: ダンベルを使うことで、より高い負荷をかけられます。
【背中を鍛える筋トレ】
- ベントオーバーロウ: 前かがみになり、ダンベルやバーベルを引き上げるトレーニングです。
- 懸垂(チンニング): 自重で行うトレーニングの代表格です。
2. インターバルトレーニングを取り入れる
トレーニング中に心拍数を上げて、脂肪燃焼効果を高める「インターバルトレーニング」もおすすめです。
インターバルトレーニングとは、「高負荷の運動」と「低負荷の運動または休憩」を交互に繰り返すトレーニングのこと。
これにより、トレーニング後も数時間にわたって脂肪が燃焼しやすい状態が続く「アフターバーン効果」が期待できます。
【インターバルトレーニングの例】
HIIT(高強度インターバルトレーニング)
- スクワット20秒 → 休憩10秒
- プッシュアップ20秒 → 休憩10秒
- 腹筋20秒 → 休憩10秒
- これを数セット繰り返します。
3. 週に2〜3回のペースで継続する
筋トレは、毎日行う必要はありません。筋肉は超回復というプロセスを経て成長するため、適切な休息が不可欠です。
週に2〜3回のペースで、鍛える部位を分けてトレーニングするのがおすすめです。
- 例1: 月曜日に下半身、水曜日に上半身
- 例2: 月曜日に上半身、木曜日に下半身
- 例3: 火曜日に全身、金曜日に全身
これにより、筋肉を休ませつつ、効率的に成長させることができます。
筋トレの効果を最大化する食事のポイント

筋トレの効果を最大化し、代謝をアップさせるためには、トレーニングだけでなく食事も非常に重要です。
1. タンパク質をしっかり摂る
筋肉の材料となるタンパク質は、毎回の食事で意識して摂りましょう。
- 鶏むね肉、ささみ
- 魚(鮭、サバなど)
- 卵、大豆製品(豆腐、納豆)
- プロテイン
2. 炭水化物を抜きすぎない
「ダイエット=炭水化物を抜く」と考えている人もいますが、これは間違いです。
炭水化物は、トレーニング中のエネルギー源となります。エネルギーが不足すると、筋肉が分解されてしまう恐れがあります。
- 玄米、オートミール、さつまいも
- これらは、血糖値の急上昇を抑え、満腹感も持続しやすいです。
3. 良質な脂質を適度に摂る
脂質は、ホルモンバランスの調整や細胞膜の構成に不可欠な栄養素です。
- アボカド、ナッツ類
- 青魚に含まれるEPAやDHA
4. 水分補給をこまめに行う
体内の水分が不足すると、血行が悪くなり、代謝も低下します。
トレーニング中だけでなく、1日を通してこまめに水分を補給することを心がけましょう。
筋トレと有酸素運動、どっちが先?

ダイエットを始めると、多くの人が「有酸素運動(ランニングやウォーキング)」も取り入れますよね。
「筋トレと有酸素運動、どっちを先にやればいいの?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
結論から言うと、「筋トレ→有酸素運動」の順番がおすすめです。
筋トレを先に行うメリット
- 筋トレによって血糖値が下がり、有酸素運動中に脂肪がエネルギーとして使われやすくなる。
- 筋トレで成長ホルモンが分泌され、体脂肪が分解されやすくなる。
これにより、より効率的に脂肪を燃焼させることができます。
参照:「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論3】減量に筋力トレーニングが必要な理由」
代謝アップに関するQ&A
Q1. 筋トレを始めると体重が増えるって本当?
はい、一時的に体重が増えることはあります。
これは、筋肉が脂肪よりも重いためです。筋肉量が増加すると、脂肪は減っていても、体重計の数値は増えてしまうことがあります。
「体重の増減=ダイエットの成功・失敗」と決めつけず、体脂肪率や見た目の変化を指標にしましょう。
Q2. 筋トレは毎日やったほうがいい?
筋トレは毎日行う必要はありません。筋肉は超回復のプロセスを経て成長するため、適切な休息が不可欠です。
同じ部位を鍛える場合は、24〜48時間の休息を挟むようにしましょう。
参照:「「超回復」について」
Q3. 女性が筋トレをするとムキムキになる?
女性が男性のようにムキムキになることは、非常に難しいです。
女性ホルモンの関係で、筋肉が肥大しにくい体になっています。筋トレをすることで、引き締まった美しいボディラインや、冷え性・むくみの改善など、嬉しいメリットがたくさんあります。
まとめ
今回は、筋トレと代謝アップの関係について詳しく解説しました。
- 筋トレで筋肉量が増えると、基礎代謝がアップし、痩せやすい体になる。
- 効率よく代謝を上げるには、大きな筋肉(下半身、胸、背中)を鍛えることが重要。
- 筋トレの効果を最大化するには、適切な食事と休息が不可欠。
- ダイエット目的で筋トレと有酸素運動を組み合わせる場合は、「筋トレ→有酸素運動」の順番がおすすめ。
筋トレは、見た目が変わるだけでなく、健康的な体を手に入れるための素晴らしい方法です。焦らず、自分のペースで楽しみながら続けていきましょう!
この記事をきっかけに、あなたの筋トレライフがより充実したものになれば幸いです。
この記事を書いた人

志水駿介
B/Yジム 大崎店店長
お客様の目標に寄り添い、効率的で楽しく続けられる方法をご提案します。「トレーニングは大変だけど、B/Y でなら楽しく頑張れる!」そう感じていただける場を提供し、皆様の毎日をより豊かにできれば幸いです!
