筋トレを頑張っている人にとって、友人や会社の同僚との飲み会は、楽しみである一方で、少し気が引けてしまう時間かもしれません。
「せっかく筋トレしたのに、お酒を飲んだら効果がなくなっちゃうのかな?」 「お酒を飲んでも、筋肉への悪影響を最小限に抑える方法ってあるのかな?」
この記事では、筋トレとアルコールの関係を科学的な視点から解き明かし、飲み会が多い人が知っておくべき注意点や、筋肉への悪影響を最小限に抑える方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
お酒との賢い付き合い方を身につけて、トレーニングも飲み会も、両方楽しみましょう。
筋トレ後のアルコールはなぜNGなのか?

筋トレ後のお酒が筋肉に悪い影響を与えると言われるのは、いくつかの科学的な理由があります。
1. 筋肉の合成を妨げる
アルコールを摂取すると、体内でコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは、筋肉の分解を促す働きがあるため、「筋トレで筋肉を合成する」というプロセスを妨げてしまいます。
また、アルコールは、筋肉の合成を促す成長ホルモンやテストステロンの分泌も抑制するため、筋肉が成長しにくい状態になってしまいます。
2. 脱水症状を引き起こす
アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上の水分を体外に排出してしまいます。これにより、体は脱水状態に陥ります。
水分は、筋肉の約75%を占めており、栄養素を運んだり、体温を調節したりする重要な役割を担っています。脱水状態になると、これらの機能が低下し、筋肉のパフォーマンスが下がるだけでなく、回復も遅れてしまいます。
参照:「熱中症と筋肉」
3. 睡眠の質を下げる
筋トレで傷ついた筋肉は、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって修復されます。
しかし、アルコールを摂取すると、睡眠が浅くなり、この成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。質の良い睡眠がとれないと、筋肉の回復が遅れるだけでなく、翌日のトレーニングに集中できない、といった悪循環に陥ります。
4. 脂肪の蓄積を促す
アルコールは、1gあたり約7kcalという高いカロリーを持っています。
参照:「アルコールのエネルギー(カロリー)」
アルコールは体にとって毒物であるため、体内に入ると肝臓で最優先に分解されます。そのため、同時に行われていた脂肪燃焼や糖の代謝が抑制されます。
その結果、アルコールが分解されている間は、摂取した食事のカロリーはエネルギーとして使われにくくなり、脂肪として蓄積されやすくなります。
「ビールと唐揚げ」という組み合わせは最高に美味しいですが、筋トレをしている人にとっては、体脂肪増加のリスクが高い組み合わせと言えます。
飲み会が多い人が知っておくべき注意点

「それでも飲み会は避けられない!」という人もいるでしょう。そんな方が、筋トレへの悪影響を最小限に抑えるために知っておくべきポイントを解説します。
1. 筋トレ直後のお酒は避ける
最も筋肉への悪影響が大きいのが、筋トレ直後のお酒です。
筋トレ後30分〜1時間は、筋肉の合成が最も活発になる「ゴールデンタイム」。この時間にアルコールを摂取すると、せっかくのゴールデンタイムを台無しにしてしまいます。
飲み会が控えている場合は、筋トレの時間を調整するか、飲み会の直前に筋トレをするのは避けましょう。
2. 水分補給を徹底する
アルコールの利尿作用による脱水症状を防ぐために、水分補給を徹底しましょう。
- お酒を飲む時:
- 「チェイサー」として、お酒と同量かそれ以上の水を一緒に飲む。
- アルコール度数が低いお酒を選ぶ。
- 飲み会の翌日:
- 起床後すぐに水をたくさん飲む。
- スポーツドリンクなどで、失われたミネラルも補給する。
3. おつまみの選び方を工夫する
飲み会では、お酒だけでなく、おつまみも重要です。カロリーが高くなりがちな揚げ物などを避け、賢くおつまみを選びましょう。
- 高タンパク・低脂質: 枝豆、冷奴、刺身、焼き鳥(塩)
- ビタミン・ミネラル: サラダ、野菜スティック
お酒の種類と選び方のヒント

アルコールの種類によっても、体への影響は異なります。飲み会が多い方は、お酒選びにも少し気を配るだけで、体に優しく楽しめます。
1. 蒸留酒を選ぶ
- 具体例: 焼酎、ウイスキー、ウォッカなど
- 特徴: 糖質を含まないため、プリン体や糖質を気にしている人におすすめ。
- 飲み方: 水割りやお湯割りにすれば、アルコール度数も抑えられます。
2. 醸造酒は控えめに
- 具体例: ビール、日本酒、ワインなど
- 特徴: 糖質やプリン体が多く含まれているため、飲みすぎると太る原因になります。
筋トレとアルコールに関するQ&A
Q1. 飲酒と筋トレはどれくらい間隔を空ければいい?
一般的には、飲酒から24時間以上は空けるのが望ましいと言われています。
特に、飲み会の翌日は体が水分不足になり、睡眠の質も低下しているため、トレーニングは控えるか、軽めの有酸素運動程度に留めておきましょう。
飲酒をしていない場合では、軽負荷のトレーニングや水分補給を意識すれば、24時間以内でのトレーニングを実施しても良いでしょう。
Q2. 筋トレ後、どうしても飲みたい時はどうすればいい?
筋トレ後、どうしても飲みたい場合は、以下の対策を試してみましょう。
- プロテインを先に飲む: 筋トレ後のゴールデンタイムにプロテインを先に摂取することで、筋肉への栄養補給を優先させる。
- 水分補給を徹底する: アルコールを飲む前に、水やスポーツドリンクをしっかり飲む。
Q3. 飲み会が続くときはどうすればいい?
飲み会が続く場合は、週に1〜2回の筋トレに留めておくのがおすすめです。
また、飲み会のない日は、食事内容をヘルシーなものに戻したり、軽い有酸素運動を取り入れたりするなど、リセットする期間を設けることが大切です。
まとめ
今回は、筋トレとアルコールの関係について解説しました。
- アルコールは、筋肉の合成を妨げ、脱水症状や睡眠の質の低下を引き起こす。
- 飲み会が多い人は、筋トレ直後のお酒を避ける、水分補給を徹底する、おつまみを工夫することが大切。
- 飲み会では、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選ぶのがおすすめ。
筋トレも飲み会も、我慢するのではなく、正しい知識を持って向き合うことが重要です。
この記事を参考に、賢くお酒と付き合いながら、理想の体づくりを続けていきましょう!
